HAIR KNOWLEDGE毛髪基礎知識
いつまでも美しい髪を保つために知っておきたい髪のこと。
効果的なヘアケアに繋がる最低限抑えておきたい髪の知識をまとめました。
髪の構造
髪は、大きく分けて外側のキューティクル、内部のコルテックス、中心部のメデュラと呼ばれる3つの部位からなりたっています。
図:キューティクルは3枚~10枚程が鱗のように重なっていて、重なりの枚数が髪の硬さに影響しています。
キューティクルは髪内部の水分量を調整する役割があり、手触りやツヤを決定する大切な部位です。通常、乾いた状態では閉じていて強いバリア機能を発揮します。濡れた状態では開き、擦れや剥がれがおこりやすく、ツヤの低下や、絡まりなどのダメージに繋がるため注意が必要です。
メデュラは他の毛髪組織とは大きく異なっていてその働きは良く分かっていません。主に髪が水分で膨らんだり縮んだりする際のスペースとして考えられている他、幼児の髪や産毛には存在せず、黒髪から白髪になった時に広がる傾向があるため断熱の役割を担っているとも考えられています。また、太い髪程量が多く、細い髪程少なくなっています。
髪の構造まとめ
髪の一番外側にあるキューティクルが剥がれると、髪の内部から成分流出が起こり、髪がダメージし易い状態になります。そため、まずはキューティクルをいたわるケアを知ることがヘアケアの最も大切なポイントになります。
髪の構成成分
髪は大きく分けて5つの成分で構成され、それぞれのバランスが保たれることで健康な状態を維持しています。
タンパク質80~90% /水分11~14% /脂質1~8% /メラニン色素約3% /微量元素0.6~1%
これらの成分は主に髪の内部成分と呼ばれ、構造上は主にコルテックス領域に含まれています。
図:CMCはキューティクルとキューティクルの間、キューティクルとコルテックスの間、コルテックスとコルテックスの間の隙間を埋めるように毛髪内部を満たしています。
グラフ:セラミドは年齢と共に減少し、40代では20代の約半分に。それに伴い肌や髪の水分保持力が低下します。
髪の脂質=CMC
脂質とタンパク質で構成されたバターのような脂で、髪のバリア機能、組織同士の接着、保湿機能の役割を担っています。年齢と共に減少するほか、毎日のシャンプーや紫外線、ヘアカラーやパーマの薬剤に含まれるアルカリ成分で破壊され、髪から流出します。
髪の構成成分まとめ
髪を構成する成分同士は密接に関わっていて、特に注目したいのが脂質=CMCです。髪はCMCが流出すると、脂質により保持されていた水分量が低下し、乾燥してダメージしやすい状態になります。そのためCMCを補給して髪の水分を維持することがヘアケアの基礎になります。
髪の成長
私達の髪は約10万本あり、年間約15センチ伸びます。生え替わりの寿命は約3年~6年で、季節によって抜け毛の量が変わるため、1年を通じて毛量が変化します。また、女性の場合、妊娠中のホルモンバランスの変化によって一時的にヘアサイクルが変わります。個人差はありますが妊娠中~産後に抜け毛が増え、その後3ヵ月から半年または半年から1年をかけて元のサイクルに戻ります。
ヘアサイクル (毛周期)
左図:健康な髪のヘアサイクル。紫外線や乾燥、血行不良などの頭皮環境に影響を受けます。
右図:1日の抜け毛の量は通常50本~70本ですが、秋には200本~300本にもなります。この影響で毛量は夏に最も多くなり、秋に最も少なくなります。